題名:海賊とよばれた男 上巻・下巻
著者:百田尚樹さん
発行:株式会社講談社
価格:一冊1,600円+税
出光興産の創設者である出光佐三さんがモデルになった小説で、昨年末から映画
にもなっていますので、ご存知の方も多いと思います。私も本を読んでから映画館
に足を運びました。
戦前・戦中・戦後、いずれの時代の中でも主人公の国岡鐵造はリーダーシップを
発揮し、様々な難題を乗り越えています。私はこの書籍は小説でありながら
「究極のビジネス書」だと実感しました。
元海軍大佐から国岡商店に入った藤本壮平が金融機関を回り融資を受けに行くが
うまく行かなかったとき、「君の真心が足りないからだ。至誠天に通じると言う。
君が本気で命を懸けて取り組む気概があれば、その事業に利益が出るという信念
があれば、その思いは必ず伝わる」と国岡は言っています。確かに必死でやって
いるつもりでも、まだまだ足りないことがあるはずです。
鐵造の父が8人の子ども達に厳しく教え込んだ「一生懸命働くこと」「質素である
こと」「人のために尽くすこと」の三つの教えを生涯守ってきたことが書かれて
いましたが、鐵造の生き様を読んでいて、たしかにその通りという印象でした。
とにかく一生懸命働いています。
更には、五年後・十年後を見据えた経営をすること、店員を心から信用している
のでタイムレコーダーや出勤簿がないこと、取引先は大切なパートナーなので
すべてを信用・信頼すること、GHQなどどんなに権力のある相手にも対等の
立場で交渉することなど国岡の生き様には心を打たれるばかりです。
そして日田重太郎との出会いがなければこのような企業になっていなかったはず
です。国岡のすべてを信頼し、私財をほとんど投げ売って、親戚からの反対にも
耳を傾けず、国岡商店を全面的にバックアップする姿勢は涙が出てくるほど感激
しました。
上下巻あわせて740ページにも及ぶ大作ですが、素晴らしい内容で寝る間を惜し
んで、年末年始を利用してあっという間に読了しました。
経営者はもちろんのこと、人を育てる立場の方(会社でも家庭でも)にもお勧めの
一冊です。私が購入したのは単行本(ブックオフさんで購入)でしたが、お手軽
サイズの文庫本も発行されています(文庫は810円)。
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